新ITパスポート試験で何が変わる? 2027年度からの新試験制度まとめ
情報処理技術者試験は、2027年度から新しい制度に移行する予定です。ここでは、IPA(情報処理推進機構)と経済産業省の公表資料にもとづいて、制度全体の変更点と、ITパスポート試験で変わることを整理します(2026年9月22日時点)。
公表されている内容は「案」の段階で、試験区分の名称は仮称、シラバスは Ver.0.1 です。合格基準・出題数の配分・受験料などは未公表で、今後変更される可能性があります。受験にあたっては、必ずIPAの公式情報を確認してください。
制度全体の案:8つの試験区分に再編、すべてCBT方式へ
応用情報技術者試験と8つの高度試験は2026年度の実施をもって終了し、3区分の「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」に再編されます。ビジネスパーソン向けに「データマネジメント試験(仮称)」が新設され、全試験区分がCBT(コンピュータを使った試験)方式になります。
| 試験区分 | 位置づけ | 試験時間・出題数 | 開始時期 |
|---|---|---|---|
| ITパスポート試験 | 内容変更 | 120分・100問 | 2027年度春頃・通年 |
| データマネジメント試験(仮称) | 新設 | 科目A 48問+科目B 12問・120分 | 2027年度夏〜秋頃 |
| 情報セキュリティマネジメント試験 | 継続(一部変更) | 科目A 48問+科目B 12問・120分 | 2027年度春頃・通年 |
| 基本情報技術者試験 | 継続(一部変更) | 科目A 90分60問/科目B 100分20問 | 2027年度春頃・通年 |
| プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)マネジメント/データ・AI/システム | 新設(応用情報・高度試験を再編) | 科目A-1 90分60問/科目A-2+科目B 120分 | 2027年度夏〜秋頃 |
| 情報処理安全確保支援士試験 | 一部変更 | 科目A-1 45分/科目A-2 35分/科目B 120分 | 2027年度夏〜秋頃 |
ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験は、システム更改のため2026年12月28日以降いったん休止し、2027年1月以降の実施予定は別途案内されるとされています。
ITパスポート試験で予定されている3つの変更点
1. 出題分野が「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に再編
これまでの「ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系」から、3つの新しい分野に整理されます。試験時間120分・出題数100問・四肢択一という形式は変わりません。
2. 「マインド・スタンス」と「データマネジメント」が新設
DXで求められる行動や考え方(変化への適応、事実に基づく判断、反復的なアプローチ、顧客への共感など)と、データを資産として整備・管理するための基礎知識(データガバナンス、データ品質管理、メタデータ管理、データライフサイクルなど)が独立した分類として整理されています。現行の教材と共通する知識もあるため、「過去問がすべて役に立たなくなる」という意味ではありません。新しい分類の項目を確認し、学習の抜けを補うことが大切です。
3. AIと情報倫理の出題を強化
生成AIやAIエージェントの活用、機械学習・大規模言語モデル(LLM)・RAGといった技術の基礎、ハルシネーションやディープフェイク、説明可能なAI、フィルターバブルなどの情報倫理・AI倫理が、独立した項目として整理されました。公表されたサンプル問題からは、用語の暗記ではなく具体的な場面への当てはめを問う傾向が読み取れます。
出題範囲:全試験共通の30分類のうち、26分類がITパスポートの範囲
新制度では、知識の出題範囲が全試験共通の「3分野・7大分類・30中分類」に整理されました。ITパスポート試験は、開発寄りの3分類(システムライフサイクルプロセス、開発・運用の方法論、アルゴリズム・プログラミング)と「セキュリティ実装技術・評価」を除く、次の26分類が出題範囲です。
ビジネス
- 1. ビジネス変革の方法論
- 2. 経営戦略・デジタル戦略
- 3. ビジネスモデル・ビジネスプロセス
- 4. サービスマネジメント
- 5. プロジェクトマネジメント
- 6. デザインのアプローチ
- 7. マインド・スタンス新設
- 8. データマネジメント新設
- 9. データ分析・データ利活用
- 10. AI利活用
- 11. 経営・組織論
- 12. ガバナンス・監査
テクノロジ
- 13. デジタルサービス・デジタルツール
- 14. システムの種類・構成
- 15. クラウド
- 16. ネットワーク
- 17. データベース
- 18. AI技術
- 19. 情報デザイン・情報メディア
セキュリティ・倫理
- 23. 情報セキュリティの脅威
- 24. 情報セキュリティマネジメント
- 25. 情報セキュリティ対策
- 27. 情報倫理・AI倫理
- 28. ビジネス関連法規
- 29. プライバシー関連法規
- 30. セキュリティ関連法規
まだ公表されていないこと
- 合格基準(現行は総合評価点600点以上、かつ分野別評価点がそれぞれ300点以上)
- 分野ごとの出題数の配分
- 受験料、2027年1月以降の具体的な実施日程
- シラバスの確定版(現在は Ver.0.1 の案)
このアプリでは、未公表の項目について現行試験の基準やシラバスの分量からの推定値を使い、画面上に「暫定」「推定」と表示しています。公式の発表があり次第、内容を更新します。
どう対策するか
- 新しい分類の範囲を確かめる。「マインド・スタンス」「データマネジメント」やAI関連の項目を見て、今使っている教材で学べていることと、追加で学ぶことを整理します。
- 用語の意味だけでなく、場面で考える。「この状況で適切な行動はどれか」という形式で、用語を具体例に当てはめる練習をします。
- 範囲を広く、復習は自動で。26分類をまんべんなくカバーし、忘れる頃に復習する仕組みを使うと、短い時間でも定着します。
ITパスポート 完全攻略は、新シラバス案の26分類すべてに対応したオリジナル問題と、自動復習・合格可能性の推定を備えた学習アプリです。基本の学習機能は登録不要・無料で使えます。AIの利用と検証の方法は、問題の品質方針で公開しています。